お菓子作りや料理の仕上げなど、なにかと使う機会の多い生クリーム。
うまく使えばメニューの幅が広がります。
でも乳製品は傷みやすいのがデメリットですよね。
買ってから時間が経過した生クリームは使うのに不安が残ります。
そこで今回は腐った生クリームの判別方法、さらに残ったクリームを長持ちさせる方法についてまとめました。
腐った生クリームはどう判別する?
傷んだ生クリームには以下のような特徴があります。
- 酸っぱい臭いや味がする
- カビが生えている
- 水分と油脂が分離している
- 色が黄色っぽく変わっている
臭いと味
一番わかりやすいのは臭いと味の劣化です。
傷んだ生クリームは酸っぱい臭いが出て味もめちゃめちゃマズくなります。
微妙なクリームを使う時はまず臭いを確認しましょう。
見た目でカビが確認できるものはもちろん論外です。
絶対食べてはいけません。
分離は塊の大きさで判断
微妙なのは分離したクリームです。
分離は生クリームの水分と乳脂肪が離れて固まってしまう現象です。
乳脂肪が高くて添加物のない良質なクリームほど分離しやすいです。
生クリームには腐敗することで固まる特徴があります。
菌が増殖することでクリームが変質してどろりと塊になるからです。
牛乳でヨーグルトを作る様子を想像するとイメージしやすいと思います。
ヨーグルト作りは発酵ですが原理は腐敗と同じですからね。
しかし生クリームは、傷んでいなくても振動や温度変化で塊ができることもあります。
動きと温度変化の多い冷蔵庫のドアポケットに保存していると、腐っていなくても分離することがあります。
なので分離していたら絶対に食べられないわけではありません。
臭いや賞味期限もあわせて総合的に判断しましょう。
★塊が大きいと味はマズい
一つの目安として、塊の大きさと数で判断する方法もあります。
2センチ以下の小さな塊が2~3個あるくらいなら使用は可能。
塊をヘラやスプーンで潰して混ぜれば使えます。
3センチ以上の塊になると混ぜ込むのが難しいです。
こうなると、たとえ腐っていなくても味は悪くホイップもうまくいきません。
リスクを考えると使わないほうが無難です。
黄色はβカロテンの可能性あり
白いはずの生クリームが黄色がかっていると心配になりますよね?
なんとなく黄ばんでいるイメージで悪くなっていそうな気がします。
しかし、これはあまり心配しなくて大丈夫です。
牧草を食べた牛の乳にはβカロテンが含まれます。
このβカロテンが黄色く発色することがあるからです。
牛乳から作るバターやホットミルクにできる薄い膜は黄色く見えますよね。
乳脂肪が濃厚になるとβカロテンの濃度が高くなって黄色がかって見えるのです。
いい生クリームほど黄色がかって見えることがあります。
腐って黄色になることもありえますが、その場合は臭いや分離で露骨にわかるはずです。
黄色がかっているだけなら心配はありません。
■生クリーム判別まとめ
- 臭い・味をチェック(臭かったらバツ)
- 分離していないかチェック(分離+期限切れはバツ)
- 分離の塊の大きさチェック(塊多めは諦める)
- 黄色がかっていたら臭いを再チェック(黄色だけならOK)
※未開封クリームの判別です。
生クリームはどのくらいもつの?
市販の生クリームの賞味期限は10~15日です。
これは出荷時の賞味期限なので、実際に店頭に並ぶころには1週間程度になっていることも珍しくありません。
乳製品はとにかく腐りやすいです。
基本的には買いだめせずに使うぶんだけ購入するのがいいです。
ちなみに乳脂肪の低いホイップクリームなら1ヶ月以上もつ商品もあります。
日持ちするだけでなく分離もしにくいので使いやすいです。
その反面、植物油でできているのでコクがイマイチ・ホイップしにくいというデメリットもありますね。
生クリームは開封したら段違いに腐りやすい
正直なところ、生クリームは製造時に滅菌されているので普通に保存していればまず腐りません。
常温保存したり賞味期限を何日もオーバーしない限りリスクは低いです。
しかし、一度開封したらたとえ賞味期限前でも余裕で傷みます。
そもそも生クリームのパックって異常に開けづらいですよね。
しかも牛乳パックと違って中がアルミでやたら頑丈にできています。
あのアルミパックはLL(ロングライフ)紙パックといって、酸素を通さずに酸化を防ぐ効果があります。
裏を返せば、生クリームは空気に触れるだけですぐ品質が変わってしまうということです。
開けたらすぐに食べきりましょう。
開封後は何日もつの?
開封した生クリームがどのくらいもつかは状況次第です。
あくまで私の感覚ですが
生クリーム:開封後は冷蔵保存で2日
ホイップクリーム:開封後は冷蔵保存で1週間
このくらいがギリギリのラインです。
せいぜい元の賞味期限の1/10くらい。
これを過ぎたら臭いに異常がなくても捨てます。
加熱調理してリスク軽減
臭いは出ていないけど微妙に古いので生だと不安。
こんな場合は加熱調理して使いましょう。
生クリームを加熱する使いみちは意外にたくさんありますよ。
- パスタソース
- シチュー
- グラタン
- プリン
- ホットケーキ
- パンナコッタ
ただし、すでに腐っていたら加熱しても食中毒を起こします。
加熱で殺菌はできても腐敗菌の出した毒は消えないからです。
臭いがする生クリームを強引に使わないよう注意してください。
生クリームの保存方法
未開封の生クリームは冷蔵保存します。
なるべく振動を与えないようにドアポケットを避けて入れておきましょう。
開封したクリームで気をつけたいのが、余計な雑菌をできるだけ付着させないことです。
開けにくいパックの口を強引に指で開くのはよくありません。
指先の菌が内部に入って傷みの原因になります。
生クリームのパックは牛乳パックのようには開かないようにできています。
開け口に指がふれないように、対角線の角を引っ張って四角く広げて開封しましょう。
パックを別の容器に移すのも雑菌がつく元です。
開けた口をクリップ等で閉めて冷蔵保存します。
すぐ劣化するので近日中に使い切ってくださいね。
生クリームは冷凍保存できる?
生クリームは液体のまま冷凍すると、油を包む脂肪球膜が壊れて分離してしまいます。
解凍すると水と油にはっきり分離して使い物になりません。
ですが、ホイップしたクリームならすでに脂肪球膜が壊れているので分離せずに冷凍できますよ。
泡立てたクリームをジップロックに入れて平らにならします。
空気を抜いて閉めたら冷凍させます。
平らにすると温度が均一になりやすく、使うときも必要なぶんだけ割って取り出しやすいです。
加熱調理やウインナーコーヒーとして使うのに便利な保存方法です。
ケーキに使う予定があるなら、絞り袋のまま冷凍すると使いやすいですよ。
クリームは必ず冷蔵庫でゆっくり解凍します。
常温・レンジで解凍するとドロドロになってしまいます。
冷凍すると味は落ちる?
冷凍したらすごく味が落ちそうな気がしますがそうでもありません。
通販のケーキやクリスマス時期のケーキなんかはどれも一度は冷凍されています。
でも丁寧に解凍すればクリームの味は決して悪くありませんよね。
実際に冷凍されたホイップクリームも販売されています。
ホイップクリームを冷凍するのは理にかなった保存法なんです。
調理してから冷凍する
生クリームを泡立てないで使いたいメニューもありますよね。
ガトーショコラ・マフィン・チーズケーキなど。
これらのレシピには冷凍ホイップはちょっと使いづらいです。
来週にお菓子作りの予定があるけど、生クリームの賞味期限が切れそう……。
こんなケースでは、いっそお菓子を先に作ってしまって冷凍するという手があります。
生クリームは凍らせられませんがお菓子なら冷凍できます。
冷凍してしまえば1ヶ月くらいは日持ちしますよ。
※フルーツ入りケーキは解凍時に水が出るので冷凍しないほうがいいです。
まとめ
★生クリームの傷み判別
- 生クリームのチェックはまず臭いと味
- 分離がある場合は要注意
- 塊が大きいなら諦めて捨てる
- 開封した生クリームはすぐ食べる
- 微妙なら加熱調理に使う
★保存方法
- 保存するなら菌・空気になるべくあてない
- 生クリームは泡立てれば冷凍可能
- 調理してから冷凍もできる
生クリームは腐りやすいので、わずかでも臭ったら捨てるほうが安心です。
最近は乳製品が値上がりしているのでもったいないですけどね。
食中毒を起こすことを考えればやむを得ません。
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