夏を代表するデザートの1つにスイカがあります。
ジューシーで爽やかな甘さは暑い日に最高のごちそうです。
ですが昔からスイカは食べ合わせに注意とよく言われます。
何気なく食べている組み合わせが思わぬ体調不良を招くかもしれません。
そこで今回は、スイカと食べ合わせの悪い物・いい物についてまとめました。
詳しく調べてみると、定番の悪い組み合わせでも問題なさそうなものもありましたよ。
ぜひ参考にして夏の味覚を堪能してくださいね。
スイカと食べ合わせが悪いと言われている物
まずは昔から伝えられているスイカと食べ合わせが悪い定番モノを紹介します。
天ぷら
一番有名な食べ合わせの悪いコンビといえばスイカと天ぷらです。
理由は知らなくてもこの組み合わせが悪いということだけは知っている人も多いですね。
スイカはほとんどが水分でできています。
たくさん食べるとその水分で胃液が薄くなると考えられてきました。
またスイカには体を冷やす効果もあります。
夏の熱中症対策にはもってこいなのですが、体が冷えるぶん内臓の活動が鈍くなって消化能力が落ちてしまいます。
一方、天ぷらのような油ものは消化するのに苦労する食べ物です。
消化が悪くなっているところにコッテリしたものを入れるのはよくありません。
そのためスイカと天ぷらの食べ合わせはタブーとされてきました。
理屈からすれば、天ぷらだけでなくフライでも炒飯でも油を多く含むメニューとスイカは相性が悪いことになりますね。
スイカと鰻
スイカと鰻の組み合わせがよくないと力説する人もいます。
これは「鰻と梅干し」「スイカと天ぷら」という相性の悪い組み合わせ同士を混同して生まれた新説でしょう。
昔からの言い伝えにスイカと鰻の組み合わせはなかったと思います。
ですが鰻も脂の多い食べ物なので、スイカとの食べ合わせはよくありません。
勘違いから生まれた組み合わせですがあながち間違ってはいないんですね。
スイカと天ぷらNGに科学的根拠はある?
ここまでもっともらしい説を並べてきましたが、天ぷら・鰻とスイカの食べ合わせが本当に悪いかというと微妙です。
よくはないけど特別視するほど悪くもない…。
昔の人が暴飲暴食をいさめるために作った半分迷信のような標語、というのが本当のところではないでしょうか?
スイカが体を冷やす食べ物なのはたしかです。
しかしそれを言ったら、同じウリ科のきゅうりやメロンも体温を下げます。
パインやキウイのような南国フルーツもそうですね。
蕎麦や小麦、豆腐なども陰性(冷やす)食物と言われています。
でも、蕎麦と天ぷらなんて毎日何千人もが一緒に食べています。
それでお腹を壊したという話はあまり聞きませんよね?
その結果からすると、スイカで体が冷えると言っても天ぷらを消化できないほど変化があるとは考えにくいです。
スイカが胃液を薄めるは嘘?
もう一つ疑わしいのが、スイカの水分で胃液が薄まって消化が悪くなるという理由です。
いくらスイカが水分たっぷりといってもその量はたかが知れています。
仮に1kgのスイカを食べたとしても水分量は900mlほどです(※スイカは90%が水分)。
その程度の水を飲んだくらいで消化が悪くなることなんてあるんでしょうか?
この理屈が正しければ食事中に水を飲むのも悪いことになります。
それだとご飯よりもおかゆ、おかゆよりも水分の多い五分粥のほうが消化が悪いことになりそうです。
五分粥なんて病院でもよく出るので消化はいいはずですよね?
たしかにネット上には「食事時に水を飲むと胃液が薄くなる」という意見もありますが、信用できそうな肝心の情報元は見当たりません。
病院や厚労省のホームページを探しても、食事中の水がダメという記述は見つかりませんでした。
正直、この理屈はちょっと怪しい…。
水分は胃に長くとどまらない
ひょっとすると大量の水(スイカ)を摂れば瞬間的には消化が悪くなるかもしれません。
しかし、そもそも水は胃の中に数分しかとどまりません。
普通の食べ物は1~2時間。
油ものだと3~4時間以上は胃にとどまります。(※)
このあたりの時間感覚は食後の胃もたれなどでなんとなくわかりますよね。
仮にスイカの水分で胃液が薄まったとしても、数分もすれば腸へと流れていきます。
その後、胃には再び胃液が分泌されます。
数時間は胃に残る天ぷらの消化に、さほど悪影響があるとは思えません。
なので、よほど無茶な量を食べない限りスイカと油ものの食べ合わせを気にする必要はないでしょう。
※食べ物の消化時間については全日本労働福祉協会のサイトを参考にさせていただきました。
スイカと本当に食べ合わせが悪い物
ここからは本当にスイカと食べ合わせが悪いものの紹介です。
ビール
スイカとビールの組み合わせは明確によくありません。
スイカにはカリウムが含まれていて利尿作用があります。
適度な利尿作用は体の老廃物を排出してくれる大事な働きです。
しかしビールにも強い利尿作用があります。
二つが重なると効果が強すぎます。
いくらスイカに水分がたくさん含まれていても出る量のほうが多くなってしまいます。
そのため体が脱水状態になってしまうのです。
汗をかきやすい海水浴でスイカとビールをぐいぐい…。
なんていうのはとても危険なのでやめましょう。
コーヒー
同じ理由でコーヒーとスイカの組み合わせもおすすめできません。
やはり利尿作用がかぶってしまいます。
ただコーヒーはビールほど飲みすぎになることが少ないので、適度に他の水分を取ることができるなら問題ありません。
かき氷
スイカとかき氷もダメなペアです。
この組み合わせで実際に失敗した人もいるんじゃないでしょうか?
スイカ・かき氷はどちらもほとんどが水でできています。
ダブルで食べればどう考えても冷たい水分の摂りすぎです。
お腹を壊す確率はぐんと上がります。
牛乳
体質によって、牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できずにお腹がゴロゴロしてしまう人がいます。
牛乳を飲むとお腹がゆるくなりがちな人は、スイカと一緒に食べるのを控えたほうがいいです。
ゆるくなったお腹に大量の水分を入れると下痢を引き起こしかねません。
もちろん、普段から牛乳を飲み慣れていれば食べ合わせても問題なし。
牛乳でスイカのスムージーを作っても大丈夫ですよ。
スイカと食べ合わせがいい物
逆にスイカと食べ合わせのいい物も紹介しますね。
スイカは味にクセがないのであまり他の食べ物とケンカしません。
なので何と食べてもそんなに悪い結果にはなりにくいですが、特別にいい物となると多くはありません。
食べ過ぎると何でもマイナスになっちゃいますからね。
そんな中、食べ過ぎになりにくくて美味しさと栄養価をアップさせる食材をピックアップしました。
塩
スイカに塩をかけて食べる…。
私にとっては当たり前なんですが、今ではかなり少なくなって逆に驚かれることもあるくらいです。
品種改良が進んでスイカが甘くなったせいもあるんでしょう。
昔は甘みの少ないスイカもたくさんありましたからね。
塩をかけるとスイカの甘さがキュッと引き立ちます。
人間の味覚は甘味よりも先に塩味を感じるようになっています。
先に塩のしょっぱさを感じ取ってその後で甘みが来るので、より果肉の甘さを舌が感じやすくなるというわけです。
さらに、汗をかいた体が塩分を欲しがっているので美味しく感じるという理由もあります。
ヨーグルト
ヨーグルトとスイカも相性がいい組み合わせです。
カットしたスイカをヨーグルトに入れるだけ。
無糖でもスイカのほのかな甘みだけで十分おいしく食べられます。
ヨーグルトにはタンパク質・脂質・カルシウムが豊富に含まれています。
スイカにはビタミンCや食物繊維などヨーグルトにない栄養があります。
お互いに補い合って栄養的にもバランスが良くなりますよ。
ヨーグルトは乳製品ですが発酵して乳糖の一部が分解されています。
牛乳よりもお腹ゴロゴロになりにくいのもメリットです。
レモン
塩と同じような原理で相性が良いのがレモンです。
レモンの強い酸味がスイカの甘さを際立たせてくれます。
さらにレモンに含まれるクエン酸にはミネラルの吸収を助ける働きがあります。
ミネラル豊富なスイカと一緒に食べるのは理にかなっていますね。
熱中症対策としてスイカのレモンスムージーもおすすめです。
ベースをヨーグルトにすればタンパク質もとれるので、夏の朝食にぴったりです。
まとめ
★スイカと食べ合わせ悪い物
- 天ぷら(食べ過ぎなければOK)
- 鰻(食べ過ぎなければOK)
- ビール(一緒に摂るのはダメ)
- コーヒー(他に水分摂取を)
- かき氷(お腹こわしやすい)
- 牛乳(お腹弱い人は避けるべき)
★スイカと食べ合わせ良い物
- 塩(甘みアップと塩分プラス)
- ヨーグルト(不足栄養価をプラス)
- レモン(甘みアップと疲労回復効果が期待)
スイカ自体は味にクセもないので何と食べてもさほど問題ありません。
本当に避けたほうがいいのはビールとかき氷くらいでしょう。
でもサッパリ味だけにどうしても食べ過ぎになりやすいです。
冷たいものの摂りすぎは夏バテの元。
食べ合わせだけでなく量にも気を配ってバランスよくスイカの栄養を取り入れましょう。
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