最近は昔ながらの塩飴が再び脚光を浴びています。
甘じょっぱい美味しさもさることながら、熱中症予防にいいという点が大きいですね。
ここ数年のタガが外れたような猛暑で需要はさらに高まって、メーカーからも様々な新しい塩飴が発売されています。
しかしこうなると、心配になるのが食べ過ぎです。
熱中症対策という免罪符があるのでついポコポコ食べてしまいますが、塩分の摂りすぎは気になりますよね。
塩飴を食べ過ぎるのが良くないのはなんとなくわかりますが、一日いくつまで食べていいのでしょう?
今回は塩飴の一日あたりの摂取量について調査・計算してみました。
また熱中症予防として効果的な塩飴の食べ方についても解説しています。
この夏の塩飴ライフ(?)の参考にしてください。
塩飴の摂取目安量がない理由
塩飴のパッケージを見ても一日に何個まで食べていいという表示はありません。
塩飴はしょせんお菓子。
薬や健康食品ではないので摂取量目安の表示義務がないからです。
とはいえ、ざっくりでもいいので何個くらい食べていいのか知りたいですよね?
そこで役立ちそうなのが栄養機能食品です。
栄養機能食品の摂取量が目安になる
栄養機能食品とは不足しがちな栄養素を補うための食品です。
要はミネラル・ビタミンなどが基準量以上含まれている食べ物ですね。
最近CMでもよく見るようになった特定保健用食品(トクホ)と同じ保健機能食品というジャンルになります。
栄養機能食品はトクホと違って国の審査や届出が必要ありませんが、表示については一定のルールが設けられています。
そのルールでは、栄養表示に一日あたりの摂取目安量の表示をすると決められています。
つまり栄養表示には、1粒あたりとか1袋あたりではなく一日に食べていい個数の栄養価が表示されています。
参考にできそうなのがミドリ安全から発売されている栄養機能食品「塩熱サプリ」です。
いわゆる塩分タブレットですね。
塩熱サプリに表示されているのは6粒ぶんの栄養価なのでこれが適正量。
ミドリ安全のホームページにも「一日6粒を目安に」と記載があるので間違いないでしょう。
塩分相当量は6粒で0.6gとなっています。
メーカではこれが飴やタブレットで一日に摂っていい塩分量だと定めているわけです。
厚生労働省が出している食事摂取基準によると、
一日あたりの食塩摂取は男性は8g、女性が7gです。
食塩0.6gというと一日あたりの7~8%になります。
たしかに他の食事を考えると、塩飴でこれ以上塩分を摂るのはマズイ気がしますね。
で、この0.6という基準を使えば他の塩飴の個数も計算できます。
塩飴は1日何個まで?
塩熱サプリの摂取量を参考に、いろいろな塩飴の適正個数を計算してみました。
といっても難しい計算ではなく0.6を飴1個の食塩相当量で割るだけです。
結果は2~10個と種類によってまちまちでした。
平均的な適正量を出すなら5~6個というところでしょう。
ポピュラーな塩飴の計算結果を紹介しておきますね。
※含まれる栄養が違うので塩分量の基準のみで計算しています。
※ナトリウム表示は×2.5を食塩相当量として計算しています。
1粒あたりの食塩相当量が98mgと公式ページに記載されています。
0.6÷0.098=6.122…
一日の摂取目安は約6個ですね。
1粒あたりの食塩相当量は0.1gです。
なので一日あたり6個になります。
1粒あたりの食塩相当量は0.225g(表示から計算)。
結構多いですね。
一日あたり2~3個しか食べられません。
1粒あたりの食塩相当量は0.059g(表示から計算)。
なので一日10個まで食べられますね。
他の塩飴に比べると塩分が控えめです。
2つの味が入っていますがどちらも塩分多め。
レモン味:0.25g
梅味:0.26g
これだと2つ食べるともうリミットになりますね。
この飴は栄養機能食品です。
1粒あたりの食塩相当量は0.14g。
なので4.2粒食べられる計算になりますが、栄養表示は3粒になっています。
この場合はやはりメーカー推奨の3個までにしておくのがいいでしょう。
こちらは栄養機能食品に見えますが一般食品です。
ただ1粒あたりの食塩相当量は0.108gとやや濃いめ。
一日5個までにしておいたほうが良さそうです。
比較の参考としてポカリの塩分量も調べてみました。
100mlあたり0.12gです。
500mlのペットボトルでちょうど0.6gになります。
思っていたより塩分少ないですね。
★食べ過ぎだけ注意
ここの計算で出した個数はあくまで目安です。
ちょっとオーバーしたからといって、すぐ体調を崩すことはありません。
無茶な食べ過ぎにだけ注意してください。
また、0.6gという数値は健康な大人を基準にしています。
腎疾患がある人・塩分制限している人・乳幼児には当てはまらないのでご注意ください。
塩飴と塩分タブレットの違いは?
塩飴とタブレットの栄養に大きな違いはありません。
というか製品によるんですね。
先に紹介したように、タブレットで一般食品もあれば塩飴で栄養機能食品もあります。
塩分量も必ずしもタブレットのほうが多いとは限りません。
タブレットのほうがミネラル豊富な印象がありますが、塩飴でもミネラルたっぷりなものはいくらでもあります。
むしろ一番の違いは吸収のスピードにあります。
タブレットは溶けやすいので、噛み砕いて水で飲めばかなり素早く塩分補給できます。
塩飴はゆっくり溶けるようにできています。
緊急の時にはタブレット、味を楽しみたいなら塩飴が良さそうです。
熱中症予防には塩飴+水
塩飴をお菓子として食べるなら自由な食べ方でいいです。
しかし熱中症予防として塩飴を利用するなら水分補給も欠かせません。
大量の汗をかいて体から水分とミネラル(塩分含む)が失われると熱中症(脱水症)になります。
この状態でガブガブ水だけを飲むと、体液がミネラル不足で薄くなります。
すると体は体液を適切な濃度に戻そうとして水分を排尿します。
結果的に体の水分量がもっと減ってしまい熱中症が進んでしまうんです。
反対にミネラルだけを塩飴・塩分タブレットで補給しても意味がありません。
水+ミネラルをバランスよく補給することではじめて有効な熱中症予防になります。
塩飴は水と一緒に摂ってください。
あわせて飲む水の量はどのくらい?
飴と一緒に水を飲めといわれても、どのくらい飲めばいいのかピンと来ませんよね?
厚生労働省が推奨する熱中症対策のドリンクは以下のようなものです。
0.1~0.2%の食塩水、ナトリウム40~80mg/100mℓのスポーツドリンク又は経口補水液等
塩飴1粒の塩分量はおおむね0.1~0.2g程度です。
これを100mlの水と一緒に摂るとうまい具合に0.1~0.2%の食塩水に近くなります。
なので1粒+コップ1杯(100ml)の水が熱中症予防に適した飲み方です。
「そんなに水飲めねーよ」という場合は、逆に塩飴を食べ過ぎているサインとも言えますね。
塩分水分補給は早めにこまめに
暑さと汗で喉がカラカラになってからスポーツドリンクをがぶ飲み。
これでは効果的な水分補給になりません。
一度に大量に水分を摂ると排泄しやすくなり胃にも負担がかかります。
塩飴+水を飲む場合も同じです。
ポイントは早めにこまめに。
喉の渇きを感じる前に塩飴1つ・水1杯のワンセットを摂ります。
1回の補給はこれで十分。
再び喉が渇きそうなタイミングで補給します。
早めの補給を続けることで熱中症のリスクやがぶ飲みを防ぐことができます。
【参考サイト】
まとめ
- 塩飴の一日あたりの摂取目安は5~6個。
- 1粒でコップ1杯の水を飲む。
- 飴とタブレットの違いは吸収スピードと味。
- 補給は早めに少量を何度も。
繰り返しになりますが塩飴数の計算はあくまで目安です。
食べ過ぎがダメといっても数値がないと止めにくい。
そんな人のための暫定数値です。
他の食事とのバランスや汗のかき具合によっても適正量は変わります。
うまく調節して塩飴を楽しんでくださいね。
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