チョコレートのお菓子を手作りしようとすると、迷うのが材料選びです。
とくにわかりにくいのが製菓用チョコレートってやつですね。
製菓用チョコレートって何なの?
普通の板チョコで作っちゃダメ?
お菓子作りに慣れていればともかく、初心者にいきなり製菓用なんていわれるとハードルが上がってしまいます。
できれば使い慣れた板チョコでお菓子作りをしたいものです。
そこで今回は、製菓用チョコレートとは何か?板チョコで代用は可能なのか?について解説します。
製菓用チョコレートって何?
チョコレートと聞いてぱっと思い浮かぶのは、コンビニやスーパーでで買える板チョコですよね。
ダースやアポロのような一口サイズのチョコも食べやすくて人気です。
これらは製品版のお菓子チョコレートです。
では製菓用チョコレートとはどんな物か?
実物を見たことがないという方もいるかもしれないですね。
こういうチョコです。
【楽天】製菓用チョコ ベリーズ クーベルチュールミルクチョコレート 41% 1.5kg
基本はお菓子作りの材料として販売されているチョコレートのことです。
よりプレーンなチョコレートと言い換えてもいいかもしれません。
種類にもよりますが、このまま食べるとカカオ風味が濃厚でちょっとクドいです。
お菓子チョコと違って飾り気がないパッケージで、一袋あたりの量は多め。
チョコの形は、大きなブロックタイプから使いやすい小粒なものまでいろいろあります。
溶かして使うことが前提なので、シャレた形状のチョコレートは少ないです。
値段は板チョコと比べると高めになっています。
クーベルチュール チョコレートとは?
製菓用チョコレートで代表的なのがクーベルチュールチョコレートです。
国際規格ではクーベルチュールの成分が厳格に決められています。
総カカオ固形分35%以上
カカオバター31%以上
無脂カカオ固形分2.5%以上
カカオバター以外の代用油脂は使用不可
簡単に言ってしまえば、カカオ風味が濃厚で油分のほとんどがカカオバターのチョコレートのこと。
カカオバターは常温で固まり28度で溶けるので、これが多いと口どけが良くなります。
溶けやすく伸ばしやすくきれいに固まりやすいので、製菓用に欠かせない「作業性」も高いチョコレートです。
その性質からチョコレートコーティングにもよく使われます。
質の悪いチョコレートだと、つるっとキレイなコーティングにならないんですよね。
★クーベルチュールは高級品?
最近ではコンビニでも、クーベルチュール入りのチョコスイーツが販売されています。
冬に出るミニストップのベルギーチョコソフトとかね。
なんとなく高級チョコのイメージがついていますが、本来のクーベルチュールは単なる製菓用チョコレートの1基準です。
しかもややこしいことに、日本では国際基準からはずれてるチョコレートでも便宜上クーベルチュールと呼ばれていることが少なくありません。
「製菓用チョコレート=クーベルチュールチョコレート」というのが現状です。
なのでクーベルチュールだからいい、というのは間違いで注目すべきはチョコに含まれるカカオ分になります。
クーベルチュールはカカオ分で大きくスイート・ミルク・ホワイトの3種類に分けられます。
作るお菓子に適した種類を選びましょう。
板チョコと製菓用チョコは何が違う?
板チョコと製菓用チョコの一番の違いは完成品か材料かという点。
板チョコはそのまま食べることを目的に作られている商品です。
チョコレートとはカカオ(カカオマスとカカオバター)に砂糖や粉乳を混ぜて作られます。
カカオの割合が高いほど甘くないビターなチョコになるわけです。
製菓用はこの初期段階のチョコレートです。
ただ、このままだとあまり美味しいチョコレートではありません。(※美味しいのもある)
そのまま食べる前提では作られていないからです。
外国ではこういうプレーンなチョコレートも売っていますが、日本製品を食べ慣れていると味の違いに驚かされますよ。
苦味も強くて口どけは悪く、噛み砕くのも大変な硬さです。
冷蔵庫に入れておくと、歯が心配になるくらいカッチカチになります。
そこでメーカーは、植物油や乳化剤を混ぜて味や舌ざわりを整えます。
混ぜものが増えるとカカオの風味が落ちるので香料も加えます。
こうすることで、そのまま食べても美味しい板チョコレートができるというわけです。
日本のチョコは冷やしてもほどよい硬さの歯ざわりになりますよね?
また、原材料の中ではカカオが圧倒的に高いので、混ぜ物をくわえてコストを下げることで安く販売できるというメリットもあります。
製菓用チョコレートが割高なのはカカオ量が多いからなんです。
製菓用チョコは板チョコで代用できる?
製菓用チョコレートは値段も高めで量も多いです。
お菓子作り初心者としては板チョコで代用できないかと考えてしまいますよね?
結論から言うとできます。
- 製菓用チョコレートは作業性に優れているが、板チョコは不純物が混じるのでうまく固まらない可能性がある。
- カカオ分が少ないと仕上がり風味がイマイチ。
- 甘ったるい味になる。
一般的に板チョコのお菓子作りにはこんな欠点があると言われています。
ただ私たちはプロじゃないので、そこまでわずかな風味の違いにはこだわらなくてもいいのではと思います。
製菓用チョコを使えば本格的な味になりやすいですが、板チョコで作る慣れ親しんだスイーツの味も悪くありません。
子供なら板チョコの味のほうが食べやすいんじゃないでしょうか?
製菓用チョコは溶かしてそのまま固めるレシピに向いています。
ハート型チョコやケーキのコーティングなどチョコの素の味が出来を左右するレシピですね。
混ぜ物をする生チョコやガナッシュ、風味だけ生かすガトーショコラ・チョコプリンなら板チョコでもそんなに大きな差は出ません。
ほろ苦さがほしければビターな板チョコを使えば十分出せますよ。
明治のホームページでは板チョコで作れるレシピが山ほど掲載されています。
めちゃ参考になりますよ。
まとめ
- 製菓用チョコレートはお菓子の材料
- クーベルチュールチョコレートもほぼ同じ意味
- カカオが濃く溶けやすいのでお菓子作り向き
- 板チョコは完成品なのでお菓子作りにはやや不向き
- チョコ風味のお菓子には代用可能
手作りなら何でも製菓用チョコレートというわけではありません。
板チョコでも美味しいチョコスイーツは作れます。
作るレシピや贈る相手の好みによって使い分けてくださいね。
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