柏餅は美味しいですよね。
こどもの日に食べる和菓子というイメージが強いですが、今では一年中スーパーやコンビニで購入することができます。
腹持ちがいいので、ちょっと小腹がすいた時のおやつには最適です。
柏の葉の爽やかな香りがふんわりするお餅。
あんこのさっぱりした甘さが洋菓子のように重たくないので食べやすいんですよね。
で、何気なく食べている柏餅ですが、なぜこどもの日に食べられるようになったんでしょう。
さらに、柏餅には毎度つきものの「あれ、葉っぱは食べられるんだっけ?」という迷い。
このような柏餅の疑問についてまとめてみました。
柏餅の葉っぱって何?
柏餅が葉っぱに包まれているのは、単にパッケージとしての意味だけではありません。
現代ほど保存の技術が進んでいない時代には、葉の抗菌作用で餅が痛むのを防いでくれるという重要な役割がありました。
また、包んだままお餅を蒸すので、柏の葉のいい香りが餅に移り独自の風味を与えてくれます。
この柏の葉で包むという形式は全国共通ではなく、西日本ではサルトリイバラの葉が使われることが多いようです。
柏の葉を使っていないと偽物っぽいですが、実はもともと柏餅はサルトリイバラの葉でくるんでいたものだったんです。
江戸時代に入るころに、江戸のような都会では山に生えるサルトリイバラは手に入りにくいので代用品として柏の葉を使うようになったそうです。
あら、びっくり。
なんとなく柏餅という名称から、柏の葉を使うのが本道でサルトリイバラの葉は代用品と思い込んでいました。
実際にはあべこべなんですね。
そもそも昔は木の葉はみなカシハと呼ばれたので、葉に包んだ餅は全て柏餅だったそうです。
こちらの記事を参考にさせていただきました。
柏餅の葉は食べられる?
サルトリイバラの葉と柏の葉。
どちらも非常に香りが良いので口にしたくなる気持ちもわかりますが、やはり食べるのには向いていないようです。
食べて害があるわけではありませんが、蒸してもパッケージ役を果たすほどの固さなので消化はかなり悪いでしょう。
食べられるんだっけ?と思った方の中には桜餅と混同されている人も多いのではないでしょうか。
桜餅の葉っぱは塩漬けされて餅の甘さとの対比を楽しめるように、食べること前提の処理がされています。
どうしてもというなら止めはしませんが、柏餅の葉は食べないのが一般的と言えそうです。
ところで柏餅の葉っぱには、色鮮やかな緑とやや枯れ気味の茶色の2色をよく見ます。
一見すると緑のほうが新鮮で香りも良さそうに見えますが、実は輸入物の可能性が高いのは色鮮やかな緑の葉なんです。
そもそも旧暦のこどもの日(端午の節句)は、新暦にすると約一ヶ月遅れの6月頭くらいになります。
その頃には柏の木にも十分に葉が茂っています。
いまの暦の端午の節句(5月5日)だと、国内の柏にはまだ葉がしっかり付いていない時期なんですね。
なので、必然的に去年の葉を保存しておいて使うことになります。
保存法にもよりますがどうしても葉の色は落ちてしまいます。
そこで葉っぱの旬(?)が異なる外国から輸入すると、5月5日に青々と新鮮な葉を使うことができるわけです。
もっとも、茶色の葉が必ず国産とも限りませんので、この辺の選択は好みでいいんじゃないでしょうか。
ちなみに写真の柏餅の葉は、緑色のほうが断然香りが優れていました。
こどもの日に柏餅を食べる由来は?
こどもの日に柏餅が食べられるようになった由来とはどのようなものでしょう。
柏餅を包む柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちないという特徴があります。
そこから「子供が誕生するまで親が元気」、つまり子孫繁栄を意味する縁起物として端午の節句の供物として使われていました。
家督を重んじる武家社会の江戸時代に生まれた、比較的新しい日本独自の習慣です。
- もともと(サルトリイバラの葉で包んだ)柏餅はあった。
- 江戸では柏の葉で包むのが流行。
- 「柏の葉は縁起いいしこどもの日に食べると良くね?」と誰かが考案したのが定着。
- 参勤交代などで日本全国に広がる。
こんな風に広まったと考えられています。
ところで、地域によっては「端午の節句に食べるのはちまきでしょ」という方もいるかもしれません。
とくに関西圏の方に多いようですね。
柏餅で祝うのは日本で生まれた風習ですが、ちまきを食べるのは中国から伝わってきた風習です。
そもそも節句という文化が中国から伝わってきたものなので、ちまきを食べるほうが歴史も長くオリジナルに近いとも言えますね。
柏餅にはこしあん?つぶあん?
柏餅に入れるあんこは正式にはこしあんつぶあんどちらなのでしょう。
これも気になって調べてみましたが、正式な決まりはないようです。
販売されている柏餅にはあんこの種類もはっきり明記されているので、お好みでチョイスしてなんの問題もありませんね。
だた、売られている柏餅を見ると白いお餅にはこしあん、緑のよもぎ餅にはつぶあんが使われていることが多いような気がします。
白餅はお上品にこしあんを入れて、よもぎ餅のほうがワイルドな印象なのでつぶあんを入れやすいということでしょうか。
他にも白あんや独特な風味の味噌餡なども人気があります。
まとめ
いかがでしたか。
何気なく口にしている柏餅にも知らないことが結構ありました。
特に柏餅なのに柏の葉が代用品だったというのには驚いてしまいました。
私の地元ではサルトリイバラの葉で包まれた柏餅はほとんど見かけませんが、古式ゆかしい伝統の味だと思うとぜひ一度食べてみたいですね。
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