果物の中でも苺は圧倒的な人気があります。
とくに食べ放題のいちご狩りはイチゴ好きにはパラダイスです。
ただ苺は食べ過ぎると下痢をする・太るなど良くない噂も耳にします。
子供たちがモリモリ食べているのを見るとどうしても心配になりますね。
で、実際いちごを食べ過ぎると本当にマズイのか?
具体的に一日何個なら食べていいのか?
苺の食べ過ぎ問題について調べてみました。
結果から言うとさほど心配する必要はないみたいですよ。
いちご食べ過ぎのデメリット
トイレが近くなる
苺は実の90%以上が水分です。
水分の割合だけでいえばスイカよりも高いです。
味が濃いのでなんか意外ですよね。
水分量が多ければ、当然食べ過ぎるとトイレが近くなります。
さらに苺にはカリウムというミネラルが含まれています。
カリウムは余計な塩分を尿として排出してくれる働きがあります。
高血圧やむくみを解消してくれる大事なミネラルですが、利尿作用でトイレに行きたくなる頻度が高くなるのです。
苺狩りプランのバス旅行などは注意しないといけませんね。
高速に乗っているときにもよおしたらヤバイです。
下痢するかも
苺の食べ過ぎでお腹がゆるくなる可能性もあります。
実際に下痢を起こした人も少なくありません。
水分豊富で冷えた苺をたっぷり食べればお腹を冷やしてしまいます。
お腹が弱い人なら下痢を起こしても不思議はありませんね。
それとは別に、苺に含まれる栄養素にも下痢を起こしやすい要因があります。
苺には果糖の他にキシリトールという天然の甘味炭水化物が含まれます。
キシリトールは砂糖と同レベルの甘さがあるのにカロリーは75%程度。
消化吸収されにくいので、砂糖のように血糖値の急上昇や虫歯菌を増やすことがない優れた栄養素です。
今では様々なガムや歯磨き粉にも使われていますね。
ところが消化されにくいことで、下痢を引き起こしやすいデメリットもあります。
もう一つ、苺はビタミンCが豊富な果物です。
ビタミンCは天然の下剤と呼ばれるくらい便を柔らかくする働きに優れています。
便秘の人には強い味方ですが、摂りすぎればお腹がゆるく可能性があります。
キシリトールもビタミンCも適量ならすぐれた栄養ですが、食べ過ぎると思わぬ副作用があるということです。
どのくらいが食べ過ぎなの?という点については後述します。
いちご狩りのお供には紅茶がおすすめ
いちご狩りにドリンクを持っていくなら温かい紅茶がおすすめです。
苺をたくさん食べたいのであまり飲み物を口にする機会はなさそうですが…。
というのも、紅茶に含まれるタンニンには軟便を改善する働きがあるからです。
本格的な下痢に効くほどではありませんが、苺でお腹がゆるくなる症状を抑えるくらいなら期待できそうです。
単純に苺で冷えたお腹を温められるという効果もありますね。
ちなみにおしっこが近くなるのが心配ならカフェインレスの紅茶がいいでしょう。
お茶の利尿作用はカフェインによる働きです。
いちごは太る?
あれだけ甘い苺なら、太りやすいのではと心配するかもしれません。
しかしその考えはあきらかに間違いです。
苺は果物の中でもかなりカロリーは低めです。
100gあたり約34kcal。
苺100gというと小さい粒なら10個、中サイズなら6~7個です。
りんご1/4カット(100g)だと54kcal。
細身のバナナ1本(100g)で86kcal。
みかん1個(100g)が45kcal。
普段よく食べる果物と比べても低カロリーなのがわかります。
甘いイメージがさほど無いスイカやグレープフルーツよりもカロリーは低いんですよ。
もちろん脂質をたっぷり含んだお菓子類とは比べ物にならないくらい太りにくいです。
それを考えると、苺を食べて太るというのは的はずれな意見ですよね。
いちごは一日何個食べていいの?
いろいろデメリットを挙げましたが、結局のところ苺は一日に何個まで食べていいのでしょう?
結論からいうと好きなだけ食べて大丈夫です。
※特別な病気がある人は除く。
そりゃ限界を越えて食べればお腹を壊しますが、それは他の食べ物でも同じことです。
無理なくおいしく食べられる範囲なら問題ありません。
いちご狩りで元を取る、みたいな考えで無茶すると危ないですけどね。
じゃあキシリトールとかビタミンCで下痢する話はどうなの?
と疑問が湧くと思います。
しかし調べてみると、少々食べすぎたくらいでは影響はほとんどなさそうなんです。
苺のキシリトール摂取量目安
まずキシリトール。
キシリトールは安全性に問題ないとされているので摂取量の制限はありません。
とはいえ摂りすぎによる下痢が心配ですよね。
キシリトールの最大無作用量(一度に食べても下痢しないとされる量)は以下の通りです。
0.3g/体重(kg)
これを一般的な体重に当てはめると…。
男性60kgなら18g
女性50kgなら15g
子供30kgなら9g
まで摂っていいことになります。
苺には100gで約0.35gのキシリトールが含まれます。
大サイズの粒(35g)で計算すると1個に0.1225gです。
子供の摂取量が9gなので9÷0.1225で…。
子供が食べていいのは73個まで。
大食いチャンピオンじゃあるまいし、そこまで食べるのはよほどの変わり者でしょう。
しかも子供で。
とにかくガムや飴と比べると苺のキシリトール含有量は微々たるものです。
苺の食べ過ぎでキシリトールの限界超えるかも、という心配は現実的ではありませんね。
以下のサイトの数値を参考に算出しました。
もし計算間違っていたらすいません。
苺のビタミンC摂取量目安
次に摂りすぎるとお腹がゆるくなるというビタミンCはどうでしょう。
日本人に必要な平均ビタミンC摂取量は成人で100mgと言われています。
これを苺で摂るとすると165gほどになります。
大きい粒だと5個、小さくても10個も食べれば足りてしまいますね。
いかに苺がビタミンC豊富なのかわかります。
では食べ過ぎについてはどうか?
ビタミンCは水溶性のためすぐ排出されてしまいます。
なので摂りすぎによるデメリットはさほどないとされています。
しかし、以下のような指針もあります。
ヒトはビタミンCを体内で作れないため、成人では1日の推奨量が100mg(2015年版食事摂取基準)と設定されています。また、通常の食事による過剰摂取の報告はないため、耐容上限量は定められていません。
しかし、ビタミンCの摂取量と排泄量を考えると、通常の食事以外に、サプリメントから一日当たり1g以上のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。
これはサプリからの摂取量の話なので苺とは必ずしも同じと限りません。
が、一応ビタミンC1gを摂取限界のラインと仮定します。
これを苺に当てはめると大粒で50個、小粒なら100個といったところでしょう。
普通は食べられないレベルの数ですね。
苺のカロリー目安
最後にカロリー。
苺はやや大粒くらいのサイズで1個10kcal程度です。
20個食べても200kcalにしかなりません。
いちご狩りに行くとわかりますが、20個食べるとかなりお腹いっぱいです。
それでも一般的なケーキやプリンより低カロリーです。
一回ぶんのおやつとして考えるとしても、大粒を40個以上食べてようやくカロリーを気にするレベルでしょう。
★★結論★★
苺は常識的な数(10~30個)なら栄養素的には何も問題ない。
ただし(苺に限らず)食べられる量は個人差があるので、自分の限界を越えないように要注意。
水分が多くて冷たいのでトイレが近くなるのは普通。
アレルギーに注意
食べ過ぎとは別に、赤ちゃんや小さい子供で注意しなければいけないのがアレルギーです。
苺に限らずあらゆる果物にはアレルギーを引き起こす可能性があります。
大人になればある程度わかっているので注意ができますが、子供はまだ自分では判断できません。
いちご狩りだと美味しさにつられて異常があってもパクパク食べてしまいがちです。
- 蕁麻疹が出る。
- 口の周りが腫れている。
- 口内や喉がかゆくなる。
- 吐いてしまう。
こんな症状が出ないか要注意です。
「いちごでアレルギーを起こす人もいるから、気分が悪くなったら食べるのをやめて教えてね」
と子供にもひとこと伝えておきましょう。
もちろん、大人がきちんと見ていてあげることも必要です。
アレルギーはアナフィラキシーショックを誘発して呼吸困難になるほど重症になる場合もあるので、必ず注意を払ってください。
まとめ
- 苺はキシリトールやビタミンCなど下痢しやすい成分を含む。
- しかし苺だけで(その成分の)摂取量の限界を越えるのは考えにくい。
- 苺のカロリーは他の果物・お菓子より低い。
- 水分が多いのでトイレは近くなる。
- お腹を下すのは単なる食べ過ぎの可能性大。
- 小さな子はアレルギー症状に注意。
なんでも食べ過ぎはよくない、という普通の結論になってしまいました。
特別いちごだけが摂取量に気をつけなければいけないということではないようですね。
ただ、いちご狩りに行ってお腹を下す人がいるのも事実です。
やっぱりあの美味しさとつまみやすさ、それに料金の元を取ってやろうという考えから食べすぎてしまいがちなのでしょう。
もう少し食べたいくらいが最高の切り上げ時。
ほどよい量で楽しく春の味覚を味わってくださいね。
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